・改良とは言わない辺りが、謙虚で好印象ですね?

・この一年、社長おすすめの笠松式という既製品のくくりワナを使用してきたのですが。
先日とある事で知ったオリモ式大物罠 OM-30型というワナが気になり、試しに購入してみました。
基本メカニズムはほぼ同様ながら色々と相違点があり、実地で使いながら比較していくつもりなのですが。
安全ピンを挿す機構がないのだけが不便なので、ドリルで穴を開けておきした。以上。

・うむ、わからん。

・一般の方々はくくりワナがどんな代物なのか知らないのが普通ですし、文章で説明するのがそもそも無謀ですし。
と・いうわけで、以下写真を交えて説明。

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オリモ式のパッケージイラスト。
踏み上げ方式のくくりワナの特長が判り易く図示されています。

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こちら実物の本体部分。
「弁当箱」とも呼称されるオリモ式ですが、こうして見るとかなり弁当箱だよコレ!
この弁当箱の底の踏板の部分を獲物の足が踏み込みますと、
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ガッチャンとアームが落としリングに押される形で立ち上がりまして、バネとワイヤーで構成されたくくり部分が外れ、そのまま獲物の足を締め上げます。
アームを伝うことで、穴を深く掘らなくてもワイヤーが足の上の方で締め付けるので、獲物を逃しにくく出来るわけです。

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こちらが笠松式。オリモ式とお互い構造は同じなのがお判りでしょうか。
アームが金属、踏板が木製で落としリングは塩ビみたいな樹脂製。
踏板と落としリングは分離した別々の部品なので、設置の際にはタコ糸で繋いでおいて獲物に蹴っ飛ばされても紛失しないようにします。輪っかですので、ヘタすると斜面とかで際限なく転がっていきますので。いやさ転がっていきましたので。

オリモ式は全体がステンレス製で、踏板と落としリングはお互いの溝にネジを通して分離しないようになってます。しかも四角いので転がらない。
また、踏板全体がアームの内側にすっぽり納まっているので、踏板を踏めばすなわちくくりワイヤーの必殺圏内です。一方の笠松式は、踏板の一部がアームの外側にはみ出ています。ここを踏まれると、獲物を捕らえないままワナが動作してしまいます。空振りとか空弾きとか呼んでます。シューティングゲームで言うところの安全地帯的なものですかね。若しくは当たり判定なし。

この辺りが、オリモ式をいいんじゃね?と思ったポイント。
あと、オリモ式の一枚目と笠松式とを見比べて、アームの角度が微妙に違うのがお判りでしょうか。
オリモ式はなんとなくハの字型。
笠松式は、ワイヤーをセットすれば判り易いんですけどほぼ水平です。

それがどう違ってくるのかと申しますと。
ワイヤーを設置した状態でアームを立ち上げるために必要な踏み込みが、オリモ式はより強い力が必要になるのです。この辺り上手く文章で説明出来ないんですけれども判って頂けるでしょーか。
動作させるには強く踏み込まないといけない、つまりは体重の軽いタヌキやアライグマなどの小動物が踏んでも動作し難いんじゃないかなー、と(しないとは言っていない)。

実際、笠松式はその辺けっこう敏感でして。せっせとワナをセットして、最後に安全ピンをそっと抜いたらそのままガッチャンと空弾きすることが稀によくありました。その辺りを調整する方法は用意されてはいるんですけれども。

・そう、肝心の安全ピン。
笠松式の写真で、針金がぶっ挿さっているのにお気づきでしょうか。
この針金すなわち安全ピンが噛み込むのでアームがそれ以上立ち上がらず、すなわち動作しないようになってます。
これがオリモ式には無いんですよね。
少々のことでは誤動作しないから、無くてもワナの設置に支障はないということなんでしょうけど。
しかし、設置する時だけの話ではなく。
ワナ猟を営んでいくにあたって、安全ピンが必要になる場合があるのです。

・ワナを仕掛けたら毎日見回りするのが理想ではありますが、中々そうは行かないのが現実。
せっかくの連休だから泊りで遠出したいなー、とか。
雨や雪が数日続く予報が出ててウザいなー、とか。
たまにはゆっくり寝たいーとか。
だるいー、とか。めんどいー、とか。
多種多様な理由によって、数日見回りに行けなくなる事態があります。あるのです。

そんな場合にワナをそのままにしておいて獲物が掛かったりすると、当然ながら数日間そのまま放置することになる訳で。苦しめる時間を無駄に長くするのは、流石になけなしの良心が痛まなくもありません。
より実務的な観点から申しましても、長時間拘束しているということは長時間暴れられるという事でして。ワナが破損したり、獲物に逃げられる可能性が放置時間に比例して大きくなります。
ワナが破損する箇所は大体がくくり部分で、修繕に要する時間や金額は大したことはないんですが。それでも面倒なものは面倒ですし、ワナを壊されてかつ逃げられたりしたら目も当てられません。

おやそういえば、ワナが壊れるどころかワナごとまるっと逃げられた阿呆が最近居たような気がしますね?
一応フォローしますと、アレは一晩の間に発生した事態ですから回避不可能。不測の事態ですので即ちセーフなのです。

まあ要するに起きる時には起きるんですけれども、その発生率がより高くなるということで。
それを避けるために、見回りが出来ない場合はワナが動作しないようにしておいた方が無難です。

アーム部分より長い木の枝や石などを上に載せておく、という方法も一つの手ですが。
そんなにデカい異物が獣道の途中に突然現れたり無くなったりしてたら、相手がケダモノとはいえ流石に不審を買ってしまいます。
或いは適当に木の枝などで突いてワナを動作させてしまっておく、という手もありますが、それだと再セットしてまわる手間が大変です。一基、二基とかならともかく。

そーいった理由で、手軽にかつ目立たずワナを動作させなくする機構が欲しいのです。

「いやそんな心配せんでも、そもそも大して獲物が掛かってないだろ」とか思った貴方には呪いあれ。
舌とか噛んで、三日くらいご飯が美味しくなくなってしまえ。

・まあとにかくそうした次第で、具体的にオリモ式に安全ピン機構を備える方法なんですが。
最初はホームセンターでL字型の金具を買ってきて取り付け、笠松式と同様に針金でアームを上から押さえる形に穴を開ければいいかと考えてましたが。
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くくりワイヤーをゆるく設置した状態。
これを眺めてるうちに、アームと本体に穴を貫通させて針金ぶっ挿せばそれで良さげなことに気付きました。

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ステンレス用ドリル。
笠松式で使ってる安全ピンの針金の太さが2ミリ。同じ針金を流用するつもりで、ぴったり過ぎても具合が悪いと思い若干大き目の2.5ミリのドリルを用意しました。

そして久し振りのインパクトドライバ。
木ネジ打ち込んだり木材に穴を開けたりするのは一年前に散々やりましたが、金属加工はこれが初めてです。あるいは高校の技術の時間にやったかもしれませんが当然ながら記憶の彼方。
なので、事前にネットでやり方を調べておきました。
 ドリルはゆっくり回す
 ドリルは真っ直ぐ。こじったりしない。
 あまり強く押し付け過ぎない
等々。
その辺りを念頭に置いて、厚さ1ミリ程度のワナ本体に穴を開けるべくいざスタート。
2分近く、ドリルでルンルン。

・・・半分ほども、掘れねえ・・・orz

何これぇ。最初こそ削りカスがもりもり出てきてたのに、速攻でぴったり止んでしまいましたよ。
まさかもうドリル先がヘタった?
いや、最初体が勝手に買おうとした百均の鉄工用ドリルならともかく、定価6倍以上のステンレス用ドリルですし。
何かが間違っている筈と調べ直してみたら、ドリルをゆっくり回す度合というのが、プロが使う旋盤とかの機械でのゆっくりで、具体的には毎分1000回転くらいとのこと。
そして我が愛インパクトドライバの最大回転数がマニュアルによれば2600回転。
本気で目に見えるくらいゆっくり最小限のスピードで回してましたが、アクセル半開ぐらいの気持ちで大丈夫だったみたいです。

・そんな次第でいざやり直し。ドリル、回しまーす。
その結果。
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なんか20秒くらいで無事開通。
開けた順番なんて説明するまでもなく一目瞭然ですな。
自分は何故こんなコーナーギリギリを攻めたのでしょーか。

まあとにかく。早速成果を試してみます。
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ギチギチにバネを締めあげてセットして、棒でぎゅっと押し込んでみましたら。
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・・・・・・。
止まりはしました。
止まりはしましたが、思った以上に動いとるがな。ガチャンと動作音も結構しましたし、これだと獲物にモロ気付かれて当分再訪しなくなってしまいます。

何がいけないのかじっくり観察したその結果。
その1。穴が大きい?
針金2ミリに穴2.5ミリはあそびが大きすぎたのかもしれません。2.2ミリくらいにしておくべきだったかも。
その2。なんかたわんでる。
針金を噛んでる手前より、奥側の方が踏板は沈み、アームは高く上がってるのがお判りでしょうか。
笠松式のアームが厚さ2ミリ程度のスチールに対して、オリモ式は1ミリ程度のステンレス。
ペラいだけあって、アームが斜めってますがな。

この状態から、ワナを設置状態に戻せるかとアームの両端を足で踏み開いてみたら。
なんかぐにっという足応えとともに、アームがより深刻に歪んでしまいましたorz

えええ一回も実戦投入しないままリタイヤかよと焦って手に取りふんぬと曲げてみたら、なんか普通にそのまま直るし。

なんか想像以上にペラいぞこいつ!?
人力でどうにかなる強度で、イノシシの咬合力に耐えられるのでしょーか。いや無い。

・・・まあ、足を縛るのはくくりワイヤーであって、踏板はそのまま地中に残りますからね。
よほど注意を引かない限り、あえてイノシシが攻撃したりはしないでしょうけど。

いや、ギンギラギンやでこいつ!?
全然さりげなく無いんですけど。
やべぇよやべぇよ。いやマジでどーしたものか。
・・・・・・。
取り敢えず、スルーで。

・問題その1に対する対処法。
もうちょい細いドリルを買う。
勿体ないんで却下。ゆえにこれもスルー。
その2に対する対処法。
片方だけに安全ピンを噛ませてるからたわむのであって。
両方に安全ピンを挿してみたらどーだろうか。
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そんなわけで、クルルンルンとやってみました。
その結果、写真はないんですけれども無事問題は解決しましたよ。
すなわちほんの数ミリ沈み込むだけで、動作音もなし。
安全ピンが2本必要になりますけど、そんなの負担でもなんでもないのでこれで良しとします。

・その後、幾つか動作テスト。
ワナをセットした状態で安全ピンを挿したり抜いたりしましたが。
予想通り、アームに少々どころで無く触れてしまっても空弾きせず、安全に抜き挿し出来ました。

次に、笠松式とオリモ式で、くくりワイヤーの入れ替え試運転。
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左が笠松式、右がオリモ式。
長さはほぼ同等ですね。より戻しを中心に、木などへの固定部分とくくり部分とがそれぞれ2M前後。
笠松式に、なんか曲がってる部品があるのがお判りでしょうか。
こちらは、バネを引き縮めたときにバネが収まる塩ビパイプです。
曲がってるのは、所有者の性根を表現しているわけではありません。
一度イノシシを捕らえたワナなのですが、捕獲している間に噛まれて曲がってしまったのです。
幸いに噛み砕かれたりせず、バネも傷まず動作に支障もないのでそのまま使ってます。

この、バネを納めるパイプがないのもオリモ式の特長の一つです。
普段はパイプを隠すのもひと手間ですし、地形によってはパイプが邪魔でどうにも設置できない、という場合もあります。
そのパイプがないので、地形にそってバネをぐねぐね曲げて設置出来るので、笠松式に比べてワナを置ける自由度が大きくなります。
ただ、耐久性がどうなのかは使ってみないと判りませんが。
バネもワイヤーもステンレス製ではあるんですが、過信するのもどうかとは思います。
まあ、土の中に埋めてしまったりしなければ大丈夫なんですかね。この辺りも要観察ということで。

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笠松式の踏板にオリモ式のくくりワイヤーをセットして動作させましたが問題なし。
その逆のパターンもOK。
まあ試すまでもなく当然のことなんですが。念の為試してみました。

・そんな感じで。残る懸念事項は耐久性。まあそれこそ使ってみないとわかりません。
猟期中は、マイ笠松式が5基。
今回説明しませんでしたがバネを使わないくくりワナ・いのしか御用が1基。
そして会社の笠松式を4基借りて、合計10基で出猟してました。

そしてこのたびオリモ式を1基購入して、安全ピンを簡単に取り付けられることが判りましたので。
取り敢えず本体だけ3基買い足してくくりワイヤーは自作して、有害鳥獣駆除にはマイトラップ全10基で臨もうかと思ってます。
法的には30基まで運用出来るんですが、猟期と同じタイムテーブルで動くなら10基くらいが適数なんですよね。まああと4,5基ほど追加するかもしれませんけど。